“Wundt Studies : A Centennial Collection”閲覧サービス開始のお知らせ

 2022年7月1日より、株式会社西昭(愛知県春日井市鳥居松町4-35-1)にて、以下の書籍の閲覧サービスを開始いたします。

 ”Wundt Studies : A Centennial Collection”

 閲覧は株式会社西昭の事務所にて可能で、閲覧料は1日2000円です。

 著作権法および装丁の崩れ防止の観点から複写(コピー)はできません。

 閲覧を希望される方は、以下の僕のメールアドレスまでご一報ください。

 nishipsycho640912@yahoo.co.jp

 在庫があれば、こちらからご購入いただけます。
 
 以上、告知まで。

知恵の形

 

 「知恵」とは何だろうか?

 筆者の考えるところでは、「知恵」とは「アド・ホックにそこにそれを持ってゆくこと(take it to ideal state)」のように思われる。そしてその一番の好例は文法言語であろう。

 そして、この「知恵の形」は、文明がいかに進歩しても、決して進化しないと思っている。

意識と言語の関係

 

 かの有名なカール・マルクスは、「ドイツ・イデオロギー」の中で、「意識と言語は同い年」だと言った。

 しかし、先に筆者が第30回日本乳幼児医学・心理学会大会にて発表した「絆としての意識」で指摘したように、意識の濫觴は「訴求」と「気遣い」のキャッチボールにあるのであって、「言語」にその源を発するわけではない。

 どうしてそんなことが言えるのか、「動物の知恵の柔軟性」と言う観点から考えてみたい。

 人間を特徴付ける「言語」は、確かに人間に膨大な知恵の可能性を与えていることには誰も異論はないであろう。

 しかし、我が家のレンジフードに住み着いたハトさんの微視的な行動をよくよく観察していると、遺伝によって機械的に規定されているならば説明しがたい実に多様で柔軟で細やかな知恵を働かせていることが分かる。

 おそらく多くのひとは、それを「知能」と呼ぶことだろう。

 もちろんハトさんは「言語」によってそれらの知恵を発動しているわけではないことは、誰にでも分かるだろう。

 ゲシュタルト心理学者のケーラーが「チンパンジーの知恵試験」で、チンパンジーのサルタンにいわゆる「洞察学習」ができることを報告しているが、もちろんチンパンジーに「言語」が備わっているわけではない。確かに、チンパンジーに「言語」が学習できることを実証した研究は多いが、それらはそれから数十年後のお話である。

 では、このような動物の「知恵」で肝になっている要素はいったい何であろうか。

 それはおそらく「知覚」であろう。人間はこの「知覚」に名前をつけることができる。それを「言語」と呼んでいるわけであるが、「知覚」はそれに先立つ「一次言語」の役割を担っている、と考えられないであろうか。良く知られているように、「知覚」には「恒常性」とか「プレグナンツの原理」などの不思議な性質があるが、それらが種によって異なるのか同じなのかは定かではない。

 動物に「言語」がなくても「考える」ことができる、つまり「知能」があるのは、おそらくこの「一次言語」のなせる業なのであろう。

 そして、「知能」が「意識活動」の一種であることは誰にも否定しがたい事実であろう。

 それは動物の多くに「意識」がある証左であって、その源に「訴求」と「気遣い」のキャッチボールがあることは先刻述べた通りである。

 マルクスに騙されてはいけない。筆者もそれほどマルクス主義に明るいわけではないが、世間で拾うことができる彼の言説には実に決めつけが多いので警戒しなくてはならない。

 結論として言えるのは、脳幹網様体のはたらきとしての「意識」は「知能」を与え、その「意識」は「言語と同い年」なわけではない、と言うことである。

夜夢の本質

 我々が夜見る夢については、さまざまに考えられてきたが、筆者なりの見解が固まったのでここに開陳しておく。

 エプスタイン氏(Epstein,S.,2014)によると、夜夢と言うのは「睡眠によって意識が変調した状態において生起する経験処理の堕落した働き」だと言う。

 少し具体性に欠ける表現であるので、僕なりに気付いたところを言うと、夜夢と言うのは心に「斜め対して」現れるものであり、自分の事象コントロール能についてのものだと見ることができる。これは現在の社会の一般的な価値観であり、ある意味夜夢と言うのは「呑まれた価値観の反映」なのであり、そうでない社会でも夜夢の特質がそうなるのかについては確言できない。では、そのような大脳生理が働いているのは一体どこなのか。

 もちろんそれは、フロイトが言っていたような「妄想」なのではない。

 

 臨床心理学では夜夢と言うのは必ず「隠れた欲求の表れ」とか「インプレスされた(強く印象に残った)経験の象徴」だと考えられ、大学院の試験に出るほどであるが、これはまったくのデタラメで、頭学問がいかにいい加減なものかを物語る好例と言えよう。

 長年良く分からなかった夜夢の本質について、ようやく見解を持つことができた。

日本心理学会心理調査士取得!!

 4年前に中京大学心理学部に(科目等履修生として)52歳の学生として通って、ようやく日本心理学会心理調査士(正式名称:日本心理学会認定心理士(心理調査))資格を取得できました。

 心理調査士の活動領域は広いです。心理検査から意識調査、実験結果の分析検討まで、と。

認定心理士資格既取得者への心理調査士資格取得が可能になりました

 本(2021)年1月19日より、新規認定心理士資格取得者のみが心理調査士資格(正式名称:認定心理士(心理調査)資格)を取得可能だったものが、我々のような認定心理士資格のみの既取得者へも心理調査士資格の取得のための受け付けを日本心理学会が開始いたしました。

 僕も早速心理調査士資格の申請を行い、4月10日の資格認定委員会にて資格審査を受けることになりました。

 詳しくは、日本心理学会の認定心理士(心理調査)資格の案内ページ(こちら)をご覧ください。