夜夢の本質

 我々が夜見る夢については、さまざまに考えられてきたが、筆者なりの見解が固まったのでここに開陳しておく。

 エプスタイン氏(Epstein,S.,2014)によると、夜夢と言うのは「睡眠によって意識が変調した状態において生起する経験処理の堕落した働き」だと言う。

 少し具体性に欠ける表現であるので、僕なりに気付いたところを言うと、夜夢と言うのは心に「対して」現れるものであり、自分の事象コントロール能についてのものだと見ることができる。これは現在の社会の一般的な価値観であり、ある意味夜夢と言うのは「呑まれた価値観の反映」なのであり、そうでない社会でも夜夢の特質がそうなるのかについては確言できない。では、そのような大脳生理が働いているのは一体どこなのか。

 もちろんそれは、フロイトが言っていたような「妄想」なのではない。

 

 臨床心理学では夜夢と言うのは必ず「隠れた欲求の表れ」とか「インプレスされた(強く印象に残った)経験の象徴」だと考えられ、大学院の試験に出るほどであるが、これはまったくのデタラメで、頭学問がいかにいい加減なものかを物語る好例と言えよう。

 長年良く分からなかった夜夢の本質について、ようやく見解を持つことができた。

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