感覚閾の日内変動

 我々の感覚は、夜と昼、空腹時と満腹時、生理学的状態、環境の知覚などの複数の要因で閾値(threshold=感覚による刺激検出可能な刺激の物理的最小値)が変化していると考えるのはおかしいだろうか。

 たとえば、夜聴く音楽とボリュームは同じでも、昼聴いた方が音量が小さいと感じたりすることは、我々の日常にはよくある話である。もしかするとこれは視覚と聴覚の感覚間相互作用をも示唆する知見なのかも知れない。

 ところで、心理学で感覚を問題にするとき、いつもお決まりで論じられるのは感覚刺激の受容における「合理的理由(たとえば、音楽の例だといわゆるS/N比のようなものの仮定)」であろう。

 しかし、もし我々の感覚と言うものが必ずしも合理的にはたらくわけではない、と言うことも再考の余地のあるところなのではなかろうか。

 一心理士として、今日はそんなことを考えている。

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