講座 心理学概論 2 心理学研究法 18 面接法

 面接法には探索(調査)的面接と臨床的面接の2種類がある。前者は仮説を吟味したり生成したりするさいに用いられる面接法である。後者は児童や学生の評価や心理臨床で用いられる面接法のことを言う。  

 面接法には大きく分けて3つの種類の面接法がある。すなわち、構造化面接法、半構造化面接法、非構造化面接法である。  

 構造化面接法では、質問とその順番、口調があらかじめ決められており、自由なのは被面接者の様子を見ながら問の意味を解説したり、回答の意味を確認することぐらいである。探索的面接で用いられることが多い。臨床心理診断などでよく用いられる面接法である。  

 それに比べてやや自由なのが半構造化面接法であり、質問は基本的に決まっているが、順序を変えたり、質問への答えを見てさらに詳しい質問を加えたりできる。構造化面接法の長所と非構造化面接法の長所双方を備えた優れた面接法である。入社・入試面接、学校の親子面談などがこれに該当する。  

 基本的にすべてアドリブで行う面接法を非構造化面接法という。広い範囲の心理的問題や心理相談、教育的指導・評価などではよく用いられる方法であるが、相当の経験を必要とする。  

 ところで、面接者が面接に臨む場合、面接者の存在が被面接者の回答に大きな影響を持つことが知られており、これを「面接者バイアス」という。面接の自由度が大きいほどこのバイアスは大きくなる。それを最小限にするためには、面接者と被面接者のあいだに信頼関係が成り立つことが第一となる。この信頼関係のことを「ラポール」という。特に心理相談などでは重要な概念であるので、よく押さえておくこと。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です