講座 心理学概論 2 心理学研究法 17 観察法

 観察法は乳幼児心理学や臨床心理学で多用される方法であり、その名の通り対象者を観察する方法のことである。まず第一に観察法は自然観察法と実験観察法に大別できる。自然観察法では対象者を統制せずに観察する方法のことであり、実験観察法では実験的処遇を加えて反応を観察するという方法のことである。  

 別の観点から見ると、観察法は組織的観察法と非組織的観察法に大別できる。後者は日常生活の中で偶発的に起こった出来事を記録してゆくと言う形を取り、後に述べる行動目録法の行動カテゴリー表を作るさいの参考になる。そして、組織的観察法はさらに参与的観察と非参与的観察に分かれる。参与的観察においては観察者が何かしらのやりとりをしながらの交流的観察もあれば、ちょっと被観察者から距離を置いて自然な観察を行おうとする非交流的観察もある。非参与的観察では直接に被観察者を観察する直接的観察と、録画機器などをもちいる間接的観察に分けられる。  

 観察の質的側面から見て行けば、時間見本法と事象見本法、行動目録法、日記法などに分けられる。時間見本法は単位時間あたりの行動の出現頻度を記録する方法であり、事象見本法はたとえば「おしゃぶり」といった事象がいつ如何にして生起したかに焦点を絞って行う観察のことである。行動目録法はあらかじめ起こりそうな行動をリストにしてチェックする方法である。日記法は長期にわたる観察を1日ごとに区切って詳細に記述していく方法で、行動描写法とも呼ばれる。

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