講座 心理学概論 2 心理学研究法 14 ここまでのまとめ

 因子分析以下、複雑な計算を要する統計分析については、(フォントの関係もあり)概念的な簡単な説明に止めた。それはこの文章が「心理学概論」であるということにも由来する。他にも情報量の確認、G-P分析、構造方程式モデリング、データマイニングなど、最近の心理統計学にしばしば顔を出す話題も犠牲にした。それはすべて本文が「心理学概論( An Introduction of Psychology )」であるゆえである。具体的に説明したのは差の検定、適合度の検定、相関係数ぐらいである。しかし、これらの知識があるとないとでは研究の動機付けが格段に異なるものと思う。数学的知識は中学校程度を想定した。心理学検定は年齢・性別にかかわりなく受検できる。中学生の方でも心理学検定は受けられるのである。中学生1級取得も夢ではない。とかく煩瑣になりがちな統計の説明に、大学レベルの数学の知識を持ち込むことは、上記の趣旨から言って有益でないと判断した。  

 これで心理学における統計の章は終わるが、心理学研究法は統計のみではない。些か節は多くなってしまうが、今しばらく「第2章 心理学研究法」にお付き合い願いたい。実際の研究がどのように行われているのかに我々はこののち直面する。「これだけ知っていれば実際に研究ができる」というところまでは第2章で辿り着きたい。

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