小噺「旬の給仕」

 昔、穀物は倉で保存しておりました。

 しかし、旬の野菜は長持ちしません。

 そこであるひとが倉から保存してある穀物を出して、ある野菜と一緒に食膳を出しました。

 それを食べたひとは、「なんて美味しいんだ!!」と飛び上がらんばかりに喜びました。

 そしてそのひとは給仕をしたひとに訊きました、「この美味しさは何なんだ?」と。

 そこで給仕したそのひとはこう言ったのです。

 「おくらいりですから」。

 お後がよろしいようで。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です