僕の父方の祖父は、将棋3段でガキの頃当時の尋常小学校で1番2番を争うほど僕とは天と地の差があるほどの優秀な御仁で、その1番2番を争っていた相手がなんと京都大学名誉教授で文化勲章受章者だと言うので、ちょっとにわかには信じられないことでしょう。
その祖父の親父、つまり僕の曾祖父はかなりの豪傑で、僕の祖父を連れて大阪の鉄道環状線の駅と駅の間を鉄くずを拾って生計を立てる反面、ひどい博打好きで、いつも祖父は僕にそのような苦労話を言い聞かせていたのを懐かしく思い出します。
で、僕の親父を除いては、曾祖父、祖父、そして僕とみな脱腸(そけいヘルニア)で、片方の睾丸が異常に大きいので分かるばかりでなく、この病気の一番の症状である下腹部の違和感が常に伴っておりました。
曾祖父は脱腸を抱えたまま天に召されましたが、僕の祖父は90歳を過ぎてから、僕は45歳を過ぎてから手術によって脱腸を治しました。
最近は女性でもこの病気で悩んでいる方も多いと聴きましたので、そこそこ大きな病院で早めの手術を推奨いたします。
まぁ、祖父や僕の脱腸は隔世遺伝なのでどうしようもありませんが、祖父の持っていた優秀さは残念ながら僕には遺伝しておりません。
僕も病院でもらえる「症」は10個ぐらいいただいておりますが、それらは賞金や賞品のもらえる類いの「賞」ではないので、かかった医療費は大変なものでした。
たぶん、病気をひとつも持っていない方は珍しいと思います。我々のような人間はどうやって病をだましだましなだめながら生きてゆけるかが人生の大きな課題だと言うべきでしょう。