講座 心理学概論 1 神経心理学 3 味覚と嗅覚の神経生理

 味覚は舌に広範に分布する味蕾の中にある味細胞の先端が細くなる絨毛となっている味蕾の開口部にある味孔に化学物質が絨毛の分子受容体と結合し、味細胞に電位変化を引き起こすことで成り立っている。味覚細胞の基底部が味覚繊維週末部が存在するため味覚繊維はインパルスを発し、舌先3分の2の味覚神経は鼓索神経に、残りの3分の1は舌咽神経に合流し延髄に達し孤束核のニューロンにシナプス連絡を持つ。さらに、鼓束核にある2次味覚ニューロンの軸索は内側毛帯に入り視床の後内腹側核の内側部にまで達する。後内腹側核小細胞部にある3次味覚ニューロンはそれを受け、大脳皮質味覚野へと軸索を続けている。  

 嗅覚は、空気とともに飛来したにおい分子が鼻腔上部の嗅上皮に届くことによって嗅小胞および嗅小毛にある嗅受容体と結合することによって嗅細胞に嗅受容器電位が現れ、嗅神経にインパルスが生じ、嗅球にある僧帽細胞と房飾細胞を興奮させ、それらの軸索が外側球索となり側頭葉下面の梨状皮質にインパルスを送り、そこから視床背内側核を通って大脳前頭葉下面に信号が送られる。嗅上皮は鼻中隔の後上部と上鼻甲介に被さっており、その中にある嗅細胞は嗅上皮の表面へとその樹状突起は嗅上皮の表面に行くほど細くなり、嗅上皮表面で再び膨らんで嗅小胞を作り粘膜中に嗅小毛を出している。嗅細胞下端から出た軸索は嗅神経になって嗅球に達している。

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