社会論

 
 社会とは、ひとが複数の人間(ないし個体)にわたる概念的天井を感じるような他者たち同士を認識したときに持つ世界性格のことである。

 そのため、夫婦、親子のことを直接に社会であるとは言わない。近縁であるほどそうなのであり、それらが「社会関係」と呼ばれることがあるのは、そこでそれ以外のひとびとと対照しているためである。

 我が国で言う「社会」は、もともと「お社」と言うものがその源流にある概念である。

 「家族」を社会に含めて考えるのはそのためである。

 したがって社会と言うものはデュルケームが言うような「もの」ではなく、心理的実在である。

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