我々の脳は「○×野」と「○×連合野」からなっている。「○×連合野」とは、まだ機能がよく分かっていない、あるいは機能を仮定されている部位のことである。例えば中心溝前回は一次運動野。中心溝後回は一次体性感覚野であり、前頭葉に運動前野連合野などが、頭頂葉には頭頂連合野がある。
脳の機能局在は、脳全体で脳の機能が維持されるという全体論が盛んだった頃には否定されていたが、1960年代になってゲシュウィンドによって見直された。感覚野、運動野といった部分が繊維連絡で結ばれ脳機能が成立するという「皮質繊維絡合主義」がゲシュウィンドらによって提唱された。
脳の機能局在を左半球について見ていくと、おおまかに前頭葉前頭前野では創造・思考・意志が、前頭葉後半部のブローカ領域(運動性言語中枢)と側頭葉後部のウェルニッケ領域(感覚性言語中枢)、そしてそれらを結ぶ弓状束の下に聴覚中枢があり、その前下方に判断と記憶の座があり、頭頂葉には認識・知覚・理解の座がある。後頭葉は視覚の座である。これらは各連合野において統合されると考えられており、より複雑な処理を受けると考えられている。