講座 心理学概論 1 神経心理学 11 遺伝子

 遺伝子は、DNA(=ゲノム)の集合体のことであり、生体の設計図である。それは細胞核の中の糸状組織である染色体に存在し、哺乳類では2対の染色体を持ち、ヒトでは23対の染色体がある。この対になった染色体の、両性からの染色体のそれぞれ同じ位置に存在する遺伝子を対立遺伝子と言い、対立遺伝子が異なる場合に優位な遺伝子の形質が発現する。この形質のことを表現型と呼ぶ。  

 二重らせん状のデオキシリボ核酸(DNA)とヒストンタンパクから染色体は成っている。DNAは、デオキシリボースおよびリン酸の鎖に連結したヌクレオチド塩基の連続で、それにはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)があり、グアニンとシトシン、アデニンとチミンがそれぞれ対結合した構造から成っていて、二本鎖を構成している。  

 タンパク質を合成する場合、DNAは一本鎖となり、ヌクレオチド結合部にチミンのかわりにウラシルUが配列されたリボ核酸(RNA)が結合してメッセンジャーRNAがが作られ、メッセンジャーRNAはスプライシングという過程でDNAがタンパク質をコードしている部位(エキソン)のみの情報をタンパク質をコードしていない部位(イントロン)を残して転写する。メッセンジャーRNAはリボゾームという細胞の小器官でタンパク質の合成(翻訳)が行われる。  

 まれに、性染色体がXYYという3連の組み合わせになることがあり、このような染色体異常者は犯罪脆弱性群と考えられている。

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